REGMOS®
リモート&リムーバブルGNSS観測装置
REGMOS®(Remote and removable GNSS Monitoring System)
リモート&リムーバブルGNSS観測装置REGMOS®は火山活動による地殻変動の観測を無人で行うために開発されました。国土地理院の管轄の元、1998年(平成10年)に初号機が岩手山に設置されて観測を開始して以来、これまでに様々な火山で稼働しています。国土地理院へ自動転送される観測データは日々解析が行われ、火山の噴火予知などに利用されています。1999年(平成11年)には「第一回建設技術開発賞」の奨励賞を受賞しました。また、REGMOS®の名称は、商標登録(第4506831号)されています。
REGMOSは山の頂上付近など、電源線や通信インフラが整っていない箇所でも単独で稼働して地殻変動の観測を行います。山頂などの厳しい環境下でも24時間安定した連続観測を実現しています。
2008年(平成20年)には「365日観測を止めない」ことをコンセプトとし、筺体設計や内部システムの全面改良を行い、オクトフレーム型のハイブリッドバージョンとして「REGMOS®‐H」を導入しました。低消費電力の総合制御装置RCLを自社開発し、接続機器の電源制御機能およびデータロガー機能を高度化しました。これにより蓄電容量および観測可能なデータ容量を増やし、高速データ衛星通信に対応したことで、GNSSデータ以外にも静止画像や各種センサーデータの取得も可能となり、リモート観測の内容を充実させました。樽前山・北海道駒ケ岳・浅間山・富士山などの火山変動観測をはじめ、近年頻発している地震による地殻変動の観測でも長年連続稼働しています。
また、火山や地震などの災害により通信インフラに障害が起きたような場合でも即座に設置・観測が行えるように、ペンタフレームを採用したリムーバブルな組立可搬型の「REGMOS®‐mini」も開発しています。
「REGMOS®‐mini」はワンボックスカー1台で運搬可能で、短時間で組み立てられるように設計されています。2011年(平成23年)の東日本大震災後には緊急臨時観測用として、宮城県の牡鹿半島及び福島県の南相馬で使用されました。また2015年(平成27年)の口永良部島の噴火の際も現地へ即座に持ち込まれ、GNSS観測が実施されました。現在も硫黄島、霧島山、能登半島などで連続稼働しています。